職場向け
Q

リカレント教育を導入するにあたっ
て、企業は何から始めたらいいです
か?

DXがリカレント教育で注目されていることについて考えている女性のイラスト
A

企業の制度や体制を見直し従業員の学びの伴走者になる
ことが必要です。

リカレント教育を成功させ
るためには、
企業が従業員の学びに伴走
することが大切

リカレント教育は、従業員にも企業にもさまざまなメリットをもたらします。しかし、その一方で企業の環境や体制がきちんと整っていない場合、運用が上手くいかず正しい効果を得られないことも。リカレント教育を社内に浸透させ、効果を生み出すためには、制度や体制を見直し、従業員の学びの伴走者になることが大切です。そのために企業が取り組むべき6つの項目をご紹介します。

STEP①

企業が目指すビジョン・経営戦略を従業員と共有する

リカレント教育を成功に導くためには、企業全体が同じ方向性を持つことが重要です。まず、企業が目指すビジョンや経営戦略を従業員と共有し、会社全体の目的や使命を明確にすることから始めましょう。企業が目指すべき指針を共有することで、リカレント教育がなぜ必要なのか、どんなことを学ぶべきなのかが見えてきます。

具体的な取り組み例

  • 経営者自ら人材開発の方向性を提示し、従業員に共有する。
  • 経営者に加え、現場リーダーからも発信する。
  • 経営戦略・ビジョンを社内報やインフラネット、社内メール、ポスターなどで周知する。

STEP②

職務に必要な能力・スキルを明確化する

職務に必要な能力やスキルを洗い出し、具体的な学びの目標を設定します。このプロセスでは、従業員だけでなくマネジメント層や人事担当者など関係者全員で話し合い、職種ごとの目標を策定・共有します。これにより、従業員は何を学ぶべきかを明確にすることができます。また、このときに経済や社会環境等の変化なども踏まえることが重要です。

具体的な取り組み例

  • 職業人生の各段階で必要な能力・スキル等を整理したロードマップを示す。
  • 従業員に対し、ジョブ・カードを活用しつつ定期的なキャリアの棚卸しを行うことを推奨する。
  • 従業員と管理職等の現場のリーダーとで話し合い、学ぶ分野やレベルを擦り合わせる。

STEP③

多様な学びの機会を
用意する

リカレント教育は職務に必要な能力・スキルを身につけるため、従業員が目指すキャリアを実現するために多様な形態でのプログラムを提供する必要があります。そのため、大学や教育訓練機関など外部機関の活用も検討しましょう。また、外部で学んだことを社内でシェアするなど、従業員が相互に学び合う環境づくりも効果的です。

具体的な取り組み例

  • 民間企業が運営するオンラインの研修サービス(サブスクリプション
    型)を従業員が受講できるようにする。
  • 検索サイトとして「マナパス」を従業員に紹介する。
  • DXが必要だが何を学ばせて良いか分からない場合に、生産性向上人材育成支援センターに相談し、自社に
    合った教育訓練プログラムをコー
    ディネートしてもらう。

STEP④

従業員が主体的に学び続けられる環境をつくる

実際にリカレント教育を受けるにあたって、働きながら従業員がどのように学習するかが重要になります。リカレント教育の大きな課題の一つとして「時間」が挙げられています。学習のために長期の休暇や休職を認めている企業も少なくありません。従業員が主体的に継続して学習を続けられるよう、オンライン学習の導入やフレキシブルな働き方を推進するなど、環境を整えましょう。また、従業員の中には個人で学びを継続させるのが難しい方もいます。定期的な学習のフィードバックや声かけなどのサポートを行うことも大切です。

具体的な取り組み例

  • 社内や部門ごとの方針として、週のうち特定の曜日の特定の時間は学習の時間とする。
  • 従業員が仕事や業務のために大学等の講座を受講する目的で休暇を取得する場合、有給の教育訓練休暇とする。
  • キャリアコンサルタントが従業員に対して、定期的な声かけや相談支援等による学びの進捗確認を行う仕組みを導入する。

STEP⑤

学んだ内容を活かす機会の提供と適切な評価

リカレント教育を通じて身につけたスキルや知識は、実際の業務で実践することで定着します。そのためただ学ぶだけで終わらせず、従業員が学んだことに対して企業は実践の場を提供しましょう。また、スキルや知識について適切な評価を行うことも重要です。社内表彰制度や特別手当の導入、また昇進や希望部署への配置転換などインセンティブを付与することでさらに学びへのモチベーションを高めます。

具体的な取り組み例

  • 多様な実践の場として、社内公募制度、社内副業制度、社内ベンチャー制度、社内フリーエージェント制度などを導入する。
  • 一度退職してリカレント教育を受けたとしても、能力・スキルを発揮させるために、その会社に復帰できる制度を設ける。
  • 身に付けた能力・スキルを仕事上で実践して成果が得られた場合に、昇進や希望する部署への配置転換、処遇への反映を行う。

STEP⑥

現場のリーダーが
負担なくサポートできる
よう支援する

現場や従業員一人ひとりの課題を把握し、企業と従業員の橋渡しとなる現場のリーダーがリカレント教育を成功させるキーパーソンとなります。リーダーが従業員それぞれの学習やキャリア形成に無理なく寄り添えるよう、企業はリーダーの負担軽減や研修機会の確保に取り組みましょう。

具体的な取り組み例

  • 定期的な1on1ミーティングの実施等により、個々の従業員と双方向にコミュニケーションをとる。
  • 現場のリーダーにカウンセリングやコーチングの技法を学ぶ機会を提供する。
  • 現場のリーダーの人事評価基準に、学び・学び直しのサポートに関する内容を盛り込む。
各省庁が、企業のリカレント教育の導入をサポートします

リカレント教育を企業に定着させるためには、時間やコストが大きくかかります。しかし、従業員のスキルや能力、さらにはモチベーションが上がることで企業の価値が大きく向上することが期待できます。文部科学省や厚生労働省など、各省庁ではリカレント教育を推進させるためのさまざまな取り組みを行っています。リカレント教育の導入を検討する際は、ぜひ一度ご確認ください。